野々村病院の人々リメイクの感想

原作は陰のある横田さんの絵が作風に合っていたが、リメイク版の絵柄も雰囲気を壊しておらず、声優も(サターン版の記憶が曖昧なこともあるだろうが)元の作品を尊重しているように感じられ、安心してプレイできた。

数十年前にハッピーエンドに辿り着いたにも拘らず、初回は冒頭で死ぬ院長に密かに性加害を被っていた患者の桃子が(真犯人が彼女の憧れる王子様を語り指示し)琢磨呂に毒物を注射するバッドエンドになってしまったが、最期の彼女の「あなたのこと好きになっていた」というセリフに、「彼女に出会わなかったのに」という疑問が生じる。

だがこれは桃子に(彼女を元気にし、関心を引くために)看護婦たちがネタに事欠かない琢磨呂の話をしていて、バッドエンドの渦中にいる彼と私は知る由もないが、確かに桃子は遠くから彼を見ていたのだろうと思い返せるのがマルチエンディングならではである。

大昔、蛭田昌人さんが途中で梨恵が二重人格の犯人だという設定を変え、別の女性を犯人にした挿話は、批判はあれど、梨恵が野々村病院の医療ミスで両親を亡くしたことをプレイヤーに「院長夫妻を恨んでの犯行ではないか?」と話を飛躍させ、西条のように院長夫人である野々村 亜希子に体よく利用され、ミスリードさせられる罠の方が私は脚本が生きてくると思えてきた。

梨恵と結ばれるルートは、実は当時も今もまだ到達できていなかったりするダメダメなtotoさんであった(逝

幽遊白書の桑原を下敷きにしたような想い人には従順で純朴な漆原が、ハッピーエンドだと思いきや真犯人が自殺するバッドエンドには(恐らく敢えて)登場しないが、真犯人が死ぬ前に琢麿呂が察知し、話しかけ婉曲的に彼女を思いとどませ、刑罰に服させたのに、漆原が面会する挿話も琴線に触れた(彼女は恋人がいる(いた?)のは、また話がややこしくなるので彼にはナイショ!)。

それにしても漆原と初対面の琢麿呂の以下の会話が振るっているw

亜希子の従者である栄作は彼女に対し主従を超えた感情を抱き、彼女のためを想い、最優先に動く歪んでいるようで純粋さが気持ちよく、亜希子も醜い栄作を寵愛し、琢麿呂も気に入っていたのが、「院長はつまらない男だったけど優雅な生活のために一緒になった」というのは見てくれではなく、前述の院長の性加害からも本当にそんな手合いの人物だったと(本編ではごく僅かしか出ないが)なんとなく感知でき、卑劣な計略すらも、それも亜希子の魅力だと思える。


しかしサターン版プレイ時に亜希子に簡単な幾つかの質問された時にあろうことか私が間違えたら追い出され、再プレイで盗聴器を発見して「ステーキが食いたい」と選んだら即死エンドだった事実は忘れ難いw


本作は蛭田昌人さんの名がエンドロールに刻まれてなかったり、(開発協力はシルプラなので)エルフアニメーションもなしと、ある程度は覚悟していたが、やはりそこは少々寂しかった。あのアニメーション技術はelfが新作を作るのを諦めてから、どうなってしまったのか気になる。蛭田さんの作風を承継していた土天冥海さんの行方も知りたい。

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