第二回目の特別企画として、前回に引き続いて代表取締役 社長の高宮 成光氏と著者 阪田 雅彦氏、「ライブレードU」のシナリオを担当されている堀川和良氏に加わって頂き、現在の「ライブレードU」に関しての状況などをインタビュー致しました。


高宮成光氏・阪田雅彦氏へのインタビュー
『聖霊機ライブレードU』について迫る!!


聖霊機ライブレードについて

岩崎氏(以下、岩崎):
ここからは、ウィンキーソフトの堀川さんに入っていただきます。

堀川氏(以下、堀川):どうも、よろしくお願いします。

岩崎:阪田さんと社長の方からお話を伺いましたが、ライブレードという作品は 阪田さんからの引継ぎという形で堀川さんが担当されることになったのですか?

堀川:ええ…阪田さんの体調が悪いということは見ていてわかりました。
休養されるという事でライブレードの話が私に来ました。

岩崎:阪田さんから引き継がれた時点で、設定などを出来るだけ生かしていく方向性で進められたのですか?

堀川:はい、それが大前提でした。受け継いだんですけれどもコピーではないので自分なりのカラーを出すために、そこは引き継げるものは引き継いで、自分の中で消化して構築していこうというのを心がけて作りました。

岩崎:阪田さんは一人の人間の成長劇という事をメインで考えられてたみたいですが 堀川さんはどういった感じのことを目指されていたんですか?

堀川:そうですね。もちろん成長劇ありき、では考えていたんですけれども、 個人的な趣味って部分もありますが、群像劇が好きなので敵のザコっぽいキャラでも、 それなりにドラマがあって、こいつにもこう動いてた理由があるんだよという所を描いて、 一人だけの視点でずっと語るのではなく、周りからも世界観とかドラマとかを 語って、一つのストーリーにするっていう事を考えて書きました。

岩崎:進めている作品のメンバーが途中で変わるというのは、スケジュール的にも 大変な事だと思いますが?

高宮社長(以下、高宮):特に最初の設定をしていた人間が途中で丸々抜けてしまうというのは、それは大変な事で本来ならそこで一度リセットして、全く新たなものとしてスタートするのが理想的なんやけれど、捨てきれないほどのボリュームがすでに素材として出来上がっていたんや。
そやから、堀川君なりにその素材を消化しながら使ったとはいえ、 やっぱり手かせ足かせになったんやないかな。 そういう意味ではかなり作りづらい状況の中で、最後までよく頑張ってくれたとは思っている。
ただ、ゲームとしての欠点が残ってしまったのが…ちょっと残念やけど。
よく言われる、ライブレードだけで終わってしまうというところがね(笑)

堀川:(笑)

岩崎:なるほど(笑)
ところで気になる「ライブレード2」ですが、現状はどんな感じなのでしょうか?



聖霊機ライブレードUについて

高宮:
「ライブレードU」は止まっているわけではなくて、確実に進んでるよ。
ただ、遅々としているけどね。(笑)
まぁ、一つには私が原因であって、もう一つは堀川君にもあるんやけど。(笑)

堀川:はい(笑)

高宮:「U」は基本設定の引継ぎはあるにしても、殆ど手のついていない所からのスタートで、 彼が自由に色を染められる話なので、すごく気合が入りすぎたというか、気負いすぎたというか、第1稿は「完成できるのかな?」というぐらいにボリュームが膨らんでおってね。
そやから、出来るだけ不要なものは切り捨てて、もっとシンプルな形にしてくれと差し戻したんや。
例えていうなら、最初の第1稿を100とするならば30ぐらいのボリュームでええと。そやから、余分な枝葉を削ぎ落としてまずは幹にしてくれってね。
そうすれば話全体も分りやすく人物関係も掴みやすくなる。
で、しばらくして、第2稿目が上がってきたんやけれど、たしかに丸まってはきたんやが、それでも70ぐらい、まだ倍以上も多いいんや。(笑)
それだけ大きいものを書き直しているんで、やっぱり時間はかかる。
そうとう時間はかけたね?

堀川:そうですね(苦笑)数えたくありませんが…

岩崎:現在はシナリオのほうは大体上がっているということですか?

高宮:そうやね。第1稿、第2稿とはかなり違うものになったけどね。

岩崎:どのようにですか?

高宮:1稿、2稿ともに基本的には、最初のライブレードのシナリオフォーマットというか、 枝葉のつけ方を継承してしていたんやけど、その考え方をやめて、シナリオの展開を工夫して今までとは違う深みというか、広がりを求めたんや。
そやから、取っ付きは凄くシンプルで分りやすい形になったと思うわ。
ボリュームも調整できたし。(笑)

岩崎:それでやっとOKが出たという事ですか?

堀川:そうですね(笑)

高宮:語弊があるといかんので言うとくけども、ボリュームを調整したからといってけっして薄ぺらなものにしたわけではない。 シナリオそのものの骨格に対して一工夫してあるんや。
先ほど彼が言った複雑な人間関係というか、端役であってもストーリーがあるとうことは 往々にして話の本筋を隠してしまう可能性があるんやけど、その辺をうまく処理できているんやないかな。 だから、前回よりも話として分かりすくなってると思うで。

堀川:そうですね。そうなっています。

高宮:分かりやすくなっているけれども、奥行きはしっかりとある。

堀川:ちょっとスルメのような(笑)

高宮:そや、かめばかむほど味がある。(笑)

岩崎:戦闘シーンなどのゲーム画面も出来ているんですか?

高宮:ゲーム画面のサンプルは1年前から出来ているんや。外部方にも何人かお見せしたんやけれど、すごく好評でね。早く世の中に出して、ユーザー方々の反応も知りたいんや。見た目もハデだし、面白さも十二分にある。

岩崎:阪田さんは、ライブレードUの画面を御覧になられた事はありますか?

阪田氏(以下、阪田):戦闘シーンの一部は見せてもらいましたね。

岩崎:どうでした?

阪田:いやもうなんか、PS2ってここまで出来るんだという感じは受けましたよね。 戦闘シーンが綺麗に入っていきましたから。

岩崎:凄く楽しみですね。

岩崎:お二方がおられるので、話を再びシナリオにもどしますが、 阪田さんから御覧になられて、堀川さんが書かれているシナリオにどのような印象をお持ちですか?

阪田:そうですね。完全に全部のものに目を通しているわけじゃないんですが。 私の文がかなり散文的というか論文的というか変に切り落としすぎると要文に固まりすぎてる部分があるんですが、 彼の文っていうのは綺麗に装飾されているんですよね。
情感も綺麗に出ていて、私の書く文よりかはよっぽど文学っぽい、小説っぽい文を書いているなっていうイメージがありますね。

堀川:ありがとうございます(照笑)



堀川氏・阪田氏のシナリオについて


岩崎:
堀川さんは阪田さんのシナリオを御覧になられてどんな感じを受けましたか?

堀川:まず一番最初に感じたのは、わかりやすいと。あと、抽象的になるんですけれど、セリフ運びがうまい! 初めて見た時、「こんなん書かれへんな」というのは、正直感じました。
ただ、阪田さん自身も言われましたが書き方そのものがお互い違いますので、ライブレードに関しては僕の個人的な書き方という所もありますが、意識して阪田さんとは書き方を変えるようにしました。
それがちゃんと伝わっていたようなのでうれしいです。

岩崎:社長からご覧になられて、両氏のシナリオはどのような感じを受けられていますか?

高宮:阪田君は、文章のキレが持ち味で、よく書けてるものに関しては文章を省略はしているけれども、 わからないような省略ではない。
俳句のようなというか、全てを語らずに全体の状況を見せるっていうようなキレのよさはあるね。
ただ、これはキレが良くないと伝わらない文章になってしまう(爆笑)
ライブレードを阪田君が手がけたときは、残念ながら体調が充分でなく悪い状況で、わからないというよりも反対にあの時はキレが無くダラダラと長くなりすぎたんやね。

阪田:そうですね。

高宮:堀川君の場合は、たしかに分りやすいっていうか、親切ではあるんだけれども、 書きすぎてしまっている部分が多くて、想像する隙間が無いっていうのが問題やね。

堀川:そうですね。

高宮:伝えたい事を間違えなく伝える文章である事は事実なんだけれども、 伝えすぎて隙間が無いっていうのもね。
そして、それが一センテンスだけに限るのではなくて、文の構成そのもの自体もそうなっていて、向こうが見通せないくらいにびっしりと詰め込んでしまっている。それはそれで存在感はあるんやけれども、やはり窮屈かなゲームのシナリオとしては。
そやから、読んでると疲れてくる部分がある。 そこらへんがこれからの課題なのかな。

岩崎:社長は両氏のシナリオ全てご覧になられているということですよね。

高宮:一応、一通りはね。

岩崎:大変ですね(笑)

高宮:ボリュームはあるからねぇ。「ライブレード2」にしても私が先ほど言ってた30より多く結果的に45から50くらいはあるからね。

岩崎:第一稿目のボリュームは紙に印刷するとどれくらいあったのですか?

堀川:電話帳のように(笑)

高宮:いやこれはもう…読みたくないね。(爆笑)

岩崎:阪田さんのシナリオも今までの作品から考えると、かなりのボリュームがありますよね?

阪田:そうですね。分岐が入ったりするんで、そのぶん大きくなったっていうのもあるんですけれどね。

岩崎:両名にお伺いしますが、社長の感想は やっぱり手厳しいですか?

阪田:そうですね…まぁ欠点はきちんと、そのままもろに来ますんで。

岩崎:もろにですか。

阪田:ええ、それは常日頃から。(笑)
「うわぁ、痛いとこ突かれた」とか。まぁもちろんそれで、見えてない部分が見えるっていうところが多々あるんで。

岩崎:ところで今、HP上で阪田さんのラングラン戦記が掲載されていますが、 堀川さんはご覧になられましたか?

堀川:はい、現状上がっている分は全部、読ませていただいてます。

岩崎:読まれてみてどうですか?

堀川:一番最初に僕は予備知識も無く読ませてもらったので…あれ、ロボは?っていうような…(笑) ただ実際にはそこでちゃんとした理由があって、「なる程、そういうコンセプトになっているのかぁ」っていうことで理解はしました。 で、お話自身は、「さぁ、これからどうなるんやろか…」っていう感じです。

岩崎:くどいようですが、ラングラン戦記の中にロボットは絶対に出さないんですか?

高宮:どうしても世界観が似通ってしまう部分があるんでね、ロボットを出すとややこしいと思うわ。

岩崎:区別化ということですか?

高宮:そうやね。そもそもラングラン世界もアガルティア世界も基本部分は阪田君が設定したので イメージとしての風景が似通るわな。あくまで風景的な部分でね。ただラングラン戦記を始めたことによって、歴史的なものが全く違うんだと、 これはライブレードの方もUではやはり過去の話が一部出てくるからやけど。 まあ、そういった感じで序々に2つの世界の違いが明確になっていくとは思うんやけどね。


岩崎:今、聞き逃しませんでしたが「ライブレード2」ではアガルティアの過去の話など出てくるんですね?

高宮:(笑)過去の話というか、過去のことが少し出てくるかな。

岩崎:ところで「ライブレードU」は、もうすぐお披露目という形になるのでしょうか?

高宮:うーん、こればっかりはね、製作現場の進捗状況なんで…。
私個人としたら出来るだけ早く形のあるものを見たいなと思ってはおるけど、会社の経営上、自社のコンテンツだけではなくて受託の仕事もしているわけで、受託の方は締切日が契約で決まっているので、どうしてもそちらの優先順位が高くなってしまうんや。 そういうわけで自社コンテンツどうしても時間はかかるわな。しかし、時間をかけた分しっかりと作くろうと思っているので、 隅々まできっちり手の入ったものになるんやないかな。

岩崎:なるほど。楽しみですね。
これからウインキーソフトの目指されているゲーム制作について、一言いただければ…

高宮:基本的には、受託と自社タイトルという2つのレールの上に乗って仕事を進めていくっていうのは変わらないと思うね。
受託に関してはアニメになるようなキャラクターコンテンツが多くて、中にはとっても可愛いキャラクターがあったりして結構現場は楽しんでいるみたいやけどね。

岩崎:それにはロボットは出ないんですよね(笑)

堀川:それはちょっとないですね(笑)

高宮:そのかわり今までうちで手がけた事が無いような、華やかなゲームになっているね。(笑) とっても可愛らしいというか。

岩崎:それは堀川さん・阪田さんは御覧になられたんですか?

堀川:ええ、見ました。可愛らしい、感じになってましたね。

岩崎:阪田さんはいかがですか?

阪田:今までとイメージが違うなと。(笑)

岩崎:今までとイメージの違うゲーム制作もすでに開始されてるっていう事ですね。

高宮:そうやね。
しかし、たまたまロボットものシミュレーションRPGがシリーズ化したのでうちの得意なジャンルと見られやすいんやけど、実は過去において、野球ゲームやカーレースのゲーム・アクションゲーム・格闘ゲーム・シューティングなどいろんなジャンルのゲームを作ってはおるんや。 そやから、このジャンルじゃないと駄目なんだというものは原則的に無いね。
また、内部でも、たまには変わったことやりたいというような要望もあるし、キャラクターコンテンツっていうのは、そういう要望に答えるにはもってこいのアイテムなんや。旬のキャラクターが多いから、楽しみながら仕事をしている人も結構いて(笑) まぁ、これはこれでええ仕事かなと。
で、自作タイトルに関しては、受託の仕事をする事によって時間と手間をかけられるので、別の意味での充実感っていうのがあるんとちがう。
岩崎:そうですか。ありがとうございます。これからも色々な作品を期待しております。 また色々な情報をお聞かせいただければ、HPの方で公表させていただきますので、宜しくお願い致します。

高宮:はい。

岩崎:ライブレード2楽しみにしてますので是非がんばって下さい。 どうも今日は長い時間ありがとうございました。




今回は「聖霊機ライブレードU」についてお話いただきました。いかがでしたでしょういか?
ウィンキーソフトについてご質問・ご要望などあればメールでお知らせください。

(聞き手 ウィンキーサポート/岩崎)