第一回の特別企画として現在ウィンキーソフトのホームページで掲載中のWEB小説「ラングラン戦記」についてユーザー方々からも多数のご質問いただいており、また、私や開発スタッフも疑問に思っていることをウインキーソフト 代表取締役 社長の高宮 成光氏と著者 阪田 雅彦氏に ストレートにお聞きしたいと思い4月10日(水)にインタビューを敢行致しました。

 

 
 
高宮成光氏・阪田雅彦氏へのインタビュー
『ラングラン戦記』について迫る!!
[左]高宮 成光氏 [右]阪田 雅彦氏


■ラングラン戦 記連載決定までについて

岩崎氏(以下、岩崎):今回、阪田さんとウィンキーソフトのご関係と、ラングラン戦記発表までの流れを中心にお聞きしたいと思います。
私がウィンキーサポートに入社した時には、すでに阪田さんはウィンキーソフトを退職されていたのですが、現在、ウィンキーソフトと阪田さんはどのような関係なのですか?

高宮社長(以下、高宮):外部スタッフとして協力してもらっています。

岩崎 :お辞めになられて、かなり経つんですか?

阪田氏(以下、阪田):えー3年ですね。

岩崎 :そうですか。
辞められてから今までに一度も接点が無いままで過ごされてきたという事ですか?

高宮:いえ。2年前に、雑誌の取材で一度来てもらったことがあるんです。
1年ぶりに会ったことになるのかな?

阪田:そうですね。まる1年ですね、あれは。

高宮:その時に、どうしてるのって聞いたら、家にこもりっきりで仙人みたいな生活をしてると(笑)

阪田:(笑)ま、流行のひきこもり、というやつで。(笑)

岩崎:えっ、ひきこもりですか…(笑)。
その間には何もなさっていなかったんですか?

阪田:そうですね。本を読んだり文章を書いたり、まあ、体調も充分とはいえなかったので、ゆっくりしていました。

岩崎:再びウィンキーソフトと仕事されるようになったきっかけというのはのは、なにかあるんですか?

高宮:んー

岩崎:今回HPが初めて、になるのですか?

高宮:いや、雑誌の対談で久しぶりに会って、その時に「どう、仕事はしているの?」って聞いたら「そろそろ探さなあかんなと思っているんです」って言う返事やったんやね。

阪田:ええ。

高宮:そしたら、それから半月後ぐらいやったかな、阪田君のシナリオでウチにゲームを作ってくれと言う依頼が来てね。
それで連絡を取ったら、是非やりたいということになったんやなぁ。

阪田:ええ

岩崎:阪田さんは一度お辞めになられたわけですけども、またそういう形でウィンキーソフトと仕事をするにあたって何か抵抗みたいなものはなかったんですか?

阪田:うーん、いや、特にそのへんは全然なかったですね。
現実問題として、生活が苦しくなっていたということもありますけども大阪というか関西では、ゲーム製作の仕事というと、そんなに沢山あるわけではないですしね。東京と違って。

高宮:それで、まあ、この仕事は決まったも同然やと思っていたら、これがなかなか本決まりにならへんかったんや。
先方の担当者と何度すり合わせをしても決まらん。阪田君もその間ほかの仕事を探すことも出来へんし、大変やったわ。

阪田:あれは困りましたね。(爆笑)

高宮:なんだかんだ、3ヶ月、4ヶ月いったのかな?

阪田:そうですね。

高宮:で、結果的に条件があわなくて、それは流れてしまったんや。
その間、彼も生活をしなきゃいけない。
現実的に逼迫した状況になってきた。(爆笑)

阪田:ええ…

高宮:私も責任を感じてね(笑)
それから、積極的にね彼のシナリオを活かせる仕事はないものかと探したんや、そしたら、タイミングよく昔からの知り合いがちょうどいい企画を提示してくれてね。

岩崎:捨てる神あれば、拾う神ありですね。

高宮:そうや。また、これが彼にとって、もってこいの企画やったんで早速相談してみたら、構わないという事になったんやな。

阪田:そうですね

高宮:で、今度はすぐに決まって、気持ちよくスタートできたんや。
彼も久しぶりにやったんでフルパワーでシナリオを書き上げて。

阪田:そうですね。あれだけ早く上がったのは(笑)

高宮:初めてかもしれない(笑)

阪田:いや、2次以来ですよ。

高宮:ああ、そうかもしれないね

阪田:3次でも、結構手間がかかって、時間かかってましたから。
予定内で終わったって言うのは、ほんとに2次以来ですよ(笑)

高宮:うん、シナリオも早かった、うちの内部の制作もね。
みんなかなり気合を入れて作ったんで、凄くいいペースでモノが出来上がってきた。
もちろん、内容もいい。

岩崎:すごい!

高宮:まあ、ええ仕事ができたわな。

岩崎:そうすると、それがきっかけですか?

高宮:そうやね。それから半年後くらいに、今度は少し軽目の仕事を手伝ってもらったね。
これはキャラものなんだけど、シナリオ部分だけをさらっと手伝ってもらってね。現在もそういった仕事を散発的に手伝ってもらっておるんや。

岩崎:ということは…ここ2年ぐらいはかなり接点があったということですね。

阪田:そうですね

岩崎:それでは、いよいよWEB小説についてなのですけれども、この企画はどちらからどのように提案されたものなのですか。
ウィンキーソフトの開発現場の方々も皆さん知らないんですよね。

高宮:そうかもしれんな。まあ、持ちかけたのは私のほうからで…なぜかというと、自宅でこもっている1年間ずっと小説を書いていたという話は聞いていたからどこかに発表する予定があるのかとか、どこかに持ち込むような事をするのかと聞いたら、「その予定が全く無い」と(笑)
この辺が私もよく分らないんだけど。

岩崎:そうですよね(笑)

高宮:ただ自分で書いて納得しているだけじゃ飯は食えない、プロを目指すんだったら積極的に売り込んでいかなあかんわけで、過去のつながりの中で懇意にしてくださる人もいてくださるわけだから、そういう人に相談しなさいって何度かアドバイスしたんですけれど…ま、兎にも角にも腰は重たいね(爆笑)

阪田:(笑)

岩崎:ずっと小説を書きつづけられていたという事でしょうか?

阪田:そうですね。未完成だったという事もありますし、個人的にもどうしても…。
まぁ、そのへんに関してはちょっと自分の理想が高すぎるって部分があるんでしょうね。なかなか気に入らないんですよ、書いてても。こんなモンじゃとても人様の前には出せないな、という感じがありましたんで。やっぱり自分のモンだと欠点ばかり見えちゃいますからね。
それでも何処かでふんぎらないととは思っていたんですけどね。

岩崎:そこに良いお話があったと。

阪田:ええ。

高宮:うちもHPの更新が最近やや疎かになっていたんで、阪田君にうちのHPで書いた小説を発表しないかと話を持ちかけたんや。
題材は何でも好きに書いてくれたらええが一つだけ条件がある。とりあえずロボットの出てくる話はやめてくれと(笑)

阪田:(笑)

岩崎:それは、ライブレードとの兼ね合いですか?

高宮:そうや。ライブレードの初期の設定は阪田君がしたわけで色々とかぶる可能性はあるしな。

岩崎:ということは全くの新作っていう事ですよね。

阪田:そうですね。ま、お話いただいてから、自分の方でもいろいろ考えまして、新規に書いてたものも多少あったんですけれども、それにはロボットが出てくる部分があったもんでそれはさすがにマズイなと(笑)

岩崎:阪田さんの小説ではロボットが出てくるものがわりと多かったという事ですね。

阪田:そうですね、それ以外にもあることはあるんですけども。
ま、それで、何にしようかと考えてる段階で個人的にどうしてもひっかかりのあるというか、思い入れのあるやつがありましたから、そこの部分を出したいなというものがあって、それプラス、インパクトを狙ったつもりでラングラン戦記ということにしたんです。ラングランについては、ネタ自体は昔から色々と考えていたものがあったんで、そこの部分をちょっと膨らませて、きちんとした形にしてみるのも面白いかなと思ったんです。ま、やっぱり…どっちかというと、インパクトを…意識してたんだと(笑)

岩崎:たしかにインパクトはありましたね(笑)

高宮:私もね、ラングラン戦記って聞いて、「ん?」って一瞬思ったんだけども…(笑)
やっぱりずっと引きずってるなと…(一同爆笑)。まぁ、それやったら一回、きっちり発表しきって乗り越えてもらってもええんやないかなと。
それに、かなり過去にさかのぼった話なんで、どっかにさしさわりが出るような話でもないし、ロボットさえ出てこなければええわ、って(笑)

岩崎:本当に出てこないのですか?
いやぁ、出るんですかねぇっていう話をいろんな方々から聞かれますし、私も楽しみにしてる部分でもあったんですが…

阪田:出ないです。

岩崎:出ないですか。あぁ残念です(笑)

高宮:いや、出るくらいなら出ても構わないと思うよ。
ただ動き回らなければ(一同爆笑)

 

 
 
■『ラングラン戦記』連載について

岩崎:もうすでに掲載は始まっているのですが、WEB小説をやられてみていかがですか?

阪田:個人的に言うとまだ全然文章は修行が足りないと思いますね。
書き始めて途中からやっぱりちょっと説明が多くなったとか、色々と反省点が結構多くて、結構落ち込んでたりするところも多いんですけどね

岩崎:しかし、凝ってますよね。
HPで小説っていうと読むだけかな?と、思っていたのですが、ちゃんとオープニングがあったりとか、なにがしらかの演出が入っているっていうのは。
そのへんは阪田さんから御覧になられてどんな感じですか?

阪田:そうですね…なんか妙にへんなっていったらおかしいですけど、こんな所に凝っていると

岩崎:凝り性のウィンキーソフトって言う感じですか(一同笑)当然社長の方も、ウィンキーソフトでラングラン戦記という小説を発表したということに関しましては、そこで終わるわけはないという風に見てるんですが…。
何かしら次の展開があるのかな、って推測をしていますが。その辺りは?

高宮:こればっかりは…ユーザー方々の声が、どのように帰ってくるのかが問題で全く反応の無いような状態だとね(笑)

岩崎:現在の所反応はいかがですか?

高宮:まぁ、関心を持って読んで頂いてはいるようやね。
ただ、今のところ若干話の展開が遅いんでね、まだ静観しているような雰囲気はあるね。

阪田:ま、世界観がかなり特殊なんで話を進めながら、ついでにどういうものなのかという説明していってる情況なんで、1話目読んだらファンタジーのようにも思えるけど、世界観的にはファンタジーとはかなり異なった世界観ですよね。

岩崎:そうですね。

阪田:現代に近いというか、簡単に言うと「北○の拳」から200年後くらいの世界的な背景なんで。(一同笑)
ちょっとあんまり今までに無かったような感じの世界観で。

高宮:うん、やはりみんな戸惑っているのは、いきなり戦車が出てきてとか、戦闘機が出てきてとかね。
魔装のイメージを持っている人からすると何で戦車なんだっていうのがまずあると思う。
ただこれは、この世界の歴史的背景がまだきちっと説明されきっていないからで。

阪田:そうですね。

高宮:過去にどこかで話をしているかもしれないけど、そんなにきっちりと話してはいない。

阪田:今回小説の中で、こういうかたちのものだと簡単に説明はしているんですけれども、話の流れの中での説明なんで少し判りにくいのかもしれませんね。普通だと年代記とかを作って、こういうことがあってとかいう説明をするのですけれど、それだとあまりにも平凡すぎて…。それで、そういうやり方を避けて、まず初めに事件があって、その後、話の中でちびちびとその辺の説明をしていこうかなとま。
まあ、きちんと読んでないとわかりづらいのかなと部分はあるかもしれませんね。全体のイメージとしてはSFに近いんですよね。

岩崎:SFですか。今のところ現代っぽさの方が強いんですけど。

阪田:それプラス、更にファンタジーの要素が入ってくるんで、これから、いよいよ剣と魔法の世界に入っていく予定なんですよ。これがまた。

岩崎:なるほど

阪田:だからちょっとへんな世界観なんですけど、もう、そろそろ、話もダイナミックに動きだすので面白くなると思いますよ。

岩崎:これからの展開が楽しみということですね。
さて、最後の質問なんですが、ウィンキーソフトと阪田さんがこういった形でまた一緒に仕事をされるっていう事は、作っていきたいものとかやりたい事とかに共通のものがあるのでしょうか?

阪田:それはやっぱりねぇ、長い事一緒に…って一緒にって言うのもへんな言い方ですが、中でやってましたから、その部分はやっぱり似てるっていうのは当然だと思いますよ。

岩崎:社長の方はいかがですか?

高宮:うん、そうやね。それとね、せっかくスポットを浴びかけたんだから、やっぱりきちっと表舞台には出てもらいたいな、と。どういう形であろうとね。
そういう気持ちはありますよ。またそれができる力は持ってると思うんでね。

岩崎:そうですね。是非頑張っていただきたいですね。
えー、まだまだお聞きしたいことはありますが、それはまた次の機会にお願いするとして、本日のインタビューは終了させていただきます。
どうもありがとうございました。


 


 
1時間以上にわたって楽しいお話を聞く事ができ、両氏には感謝致しております。
疑問に対し率直にお答え頂き、私としては納得のいくインタビューになったのではと思っています。
いかがでしたでしょうか?これからもどしどしやっていきたいと思っていますので、ご質問・ご要望などあればメールでお知らせください。
次回はこの両氏に「ライブレード」を引き継ぐ形でシナリオを担当された堀川氏も招いて「ライブレード」と現在制作中である「ライブレード2」についてお話を伺います。
(聞き手 ウィンキーサポート/岩崎)


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