精霊機ライブレード スタッフインタビュー(サントラ)

■サウンド 藤原達也
はじめまして、ライブレードのサウンドを担当した藤原です。この作品は実質的に私の業界デビュー作となるものです。ずっとゲーム音楽の仕事を夢見ていた私にとって、こうやってCDにまでして頂いたというのは実に感慨深いものがあります。
開発中はまさに「ライブレード漬け」の日々でした。シナリオ読んでは曲を書き、キャラ原画を眺めては曲を書き・・・。作った曲を聴きながらシナリオ読んで、バッチリはまってたりすると一人で浸っていたり・・・。
しかし開発当時は厳しいスケジュールでしたので、深夜、布団の中で思い付いたアイデアを忘れないようにメモをとりながら涙するということも・・・(最後のはウソです。泣く暇あったら寝ます)。
今、ライブレードの曲を聴きながらこれを書いていますが、「ああ、こんな曲も作ってたんだ」と半ば忘れているものもあったりします。さて、ライブレードは私を含めた3名でサウンドを担当しました。自分の曲の中では傭兵団のテーマーとして使われていた「強敵出現」や、シナリオ冒頭の先生のテーマをアレンジしたエンディング曲などがお気に入りです。また、他のスタッフが制作した曲も「衝撃」、「ラクリマ」など感心させられる曲ばかりです。アルバム全体としては3人の個性が混ざり合って、非常にバラエティに富んだ仕上がりになったことと思います。
それでは、このアルバムを楽しんでいただければ幸いです。また、至らないところなどもありますが、そこは次回作にて挽回しようと思ってます。まだまだスタートラインに立ったばかり、続編はもっと気合いを入ったものになります。乞うご期待!

P.S.
テーマ曲に歌詞をつくってくれた人たち、サントラ発売希望のメールを送ってくれた人たち、とても嬉しかったです。今回のCD化はあなた達のお陰かもしれません。ホントにありがとね!

■チーフディレクター 松本健一郎
「ライブレード」のサウンドクリエイターは個性の強い3人が担当していました。今回どのような方向性で創っていくか、サウンドクリエイターと共に考えて「様々な種類の楽曲を自由に創って行く、あえて方向性は持たないで行こう」と話し合いこのように多くの素晴らしい楽曲が生まれました。
そして少し前から楽曲のテーマとして「REMIX」や「アレンジ」を挙げて取り組んできました。思い思いに創り、それにアレンジやREMIXをすることによってその楽曲が持つ個性を主張することができるのでは?と考えてきました。
今回特にそれを行ったのがテーマ曲です。テーマ曲は今の形になるまで数十曲のサンプルが制作され出来上がった物です。しかもそのサンプル曲にもアレンジ、REMIXがありそのバリエーションとボリュームは今回の楽曲の半分に相当するぐらいありました。
今回、藤原君が生み出したテーマ曲の完成度は高く、一発で決めました。店頭デモ用にいままでどおりのサンプリングやスクラッチを挟み込むREMIXで、アクセントの聞いたカッコ良さのあるモノになったと思います。そしてウィンキーソフトが初めてゲームショウに出展する事になり、より良い映像とその為の楽曲をと思い創ったMIXが今回特別にサントラ盤に入ったMIXです。その楽曲の持つ個性とパートを駆使してゲームの流れを主題歌にのせ最終決戦まで盛り上げるMIXとしてプランを立て制作してもらいました。私の一番のお気に入りです。大音量で楽しんでみてください。

■ディレクター、CGムービー 鎌田篤志
全70曲140分を超えるボリューム、ドラマティックな展開にあわせめまぐるしく変化するBGM&SEの数々。サウンドチーム本当に良く頑張ってくれました。ムービーのSE付けの時はいろいろ注文付けてゴメンナサイ、そしてアリガト!!
数あるBGMの中でも私のお気に入りはエンディング「桜舞い散る季節」です。長く苦しくつらい闘い、傷つき支え合う仲間達、激戦の果てに訪れる結末・・・これで最後かと思うと今までの苦労を思い出しちょっぴり切ない気分になります。ゲームをプレイして聴いていただければきっとわかって頂けると思います。
今後も良質なゲームを制作していきたいと思います。そしてこのようなサウンドトラックを出せる事を夢見て・・・「2」でお会いしましょう。

■プログラマー 庄真宏
「ピコピコ音」
今の携帯の着信音を聞くたび、昔のゲーム音楽を思い出さざるを得ません。過去においては音階さえ無かった時、ブザーのON/OFFを高速に切り換えて擬似的に音階をつくり、発音数の少ないPCM音源を駆使して3和音と1音で表現したり、FM音源のパラメータに頭を抱えたり、無論、ニセモノには違いなかったのですが、そのたびにゲーム音楽の表現力は各段に進化してきました。
さて、ようこそ「精霊機ライブレード」の世界へとでもいうべきでしょうか? ゲームをプレイされた方も、されてない方も、ゲームとは違ったライブレードの世界の一面を感じてもらえるのでないかと思います。
何しろ、作者の「作ったんやけど聞いてみて」という言葉に、「単調や」、「つまらん」、「うーん、いいんやけどいまいち」、と言葉を投げつけ、「作りなおしたけど、どお?」と谷底から這い上がってきた彼に、「やっぱ、これだけのメモリでやってね。容量ないねん」という容赦無い我々の言葉に忍耐強く耐え、しかも、制約の中にあって、飽くまでゲームを盛りたてる劇音楽であり、プレイの邪魔にならず、それでいて飽きさせない、矛盾する多くの課題に毎晩遅くまで残って取り組んでくれました。
私は、この1枚のCDがそれらに応えられる事を望んで止みません。

■キャラクターデザイン、原画担当 下山剛史
私はゲームに限らずアニメ、ドラマ、映画等のBGMが好きです。それもただ流れているというものではなく、映像にリンクした物が大好きです。熱く燃える展開をさらに盛り上げてくれたり、ちょっぴり哀しさを演出したり、時にはコミカルに、時には優雅に・・・。ああっ、音楽ってすばらしいっ(笑)。
このライブレードにも、素敵なサウンドがたくさんあります。聴けば、ほら・・・。あのムービーが、戦闘が、シナリオがよみがえってきませんか?だから私はこのアルバムも大好きです。
皆さんにも、このアルバムが末永く”思い出”と共にありますよう願いつつ・・・。

■CGムービー 吉田渉
「精霊機ライブレード Original Soundtrack」。ライナーノーツに書かせてもらうこの機会に当社のサウンドクリエイターに賞賛の声を送りたい。昨今のゲームは様々なメディアの集大成であり、そのなかでも欠かすことのできない物の1つとして”サウンド”が挙げられる。特にこの「精霊機ライブレード」のようなストーリー性の高いゲームにおいては、いかにユーザーを感情移入させるかという点でも多大な功績をもたらしたといえる。1枚のCDにこれだけバラエティーに富んだ楽曲が収まっていることに関しては、3人のクリエイターがそれぞれ感性と個性をぶつけ合い、それでいてバランスのとれているところは3人が同じ方向性を持ちながら作り上げたからこその結果だと思う。
映像制作に携わる僕としては今回ほど楽しく仕事をさせてもらった事は無かった様に思う。僕の中で「映像」というものは”画像”・”サウンド”・”演出”がすべて絡み合って1つの「映像」になると常日頃感じているが、今回の様にこれだけ良質な物を提供されると自然とこちらも力が入り、最終的には納得のいく作品が作られていった様に感じられる(例として「TGS2000」の映像。また機会があれば観てください)。
このようにユーザーだけでなく同じゲームの制作に携わるクリエイターをもインスパイアする”サウンド”というものをこれからも期待し望んでいます。

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